こんにちは、Takamiです。
今回のテーマは、“抗がん剤”としての筋肉:筋肉の量・強度ががんリスクに与える影響とはです。
近年、「筋肉」の存在がまさに抗がん剤のように、がんの予防・生存率の改善に寄与するという研究が注目を集めています。今回は、具体的なデータをもとに「どの程度の筋肉量や筋トレががん予防に効くのか」を掘り下げてみましょう。
アジェンダ
1.導入
「抗がん剤としての筋肉」という比喩の背景と、研究トレンドへの言及。
2.最新研究の紹介と数字
– 2025年メタ分析:筋力・CRF向上が31〜46%の死亡リスク低下
– 筋力1単位上昇で11%の追加リスク低下、CRFはがん特異的死亡を18%低下
3.推奨される筋トレ量・頻度
– 週30〜60分が最も効果的
– 週2回以上の実施が望ましく、有酸素運動との併用で更に効果UP
4.部位別の効果
– 腎臓がんは特に筋トレ効果が顕著(発症リスク26%低下)
– 他のがん種では死亡リスク改善が主な恩恵
5.実際の実践例や生活への落とし込み
– 自重トレーニングや家庭での軽負荷トレーニングでも効果あり(椅子立ち・スクワットなど)
– 筋力チェック(握力計など)を導入して記事に親しみを持たせるのもおすすめ
6.締め
筋肉は“抗がん剤”ではないが、がんリスクの“免疫を高める薬”として機能しうる
筋力・筋肉量とがん死亡リスクの関係:最新メタ分析が示す数値
2025年に発表されたシステマティック・レビューでは、筋力(筋肉の強さ)および心肺フィットネス(CRF)が、がん診断後の全死因死亡リスクを31%~46%も抑制するとの結果が示されました。さらに、筋力が1単位向上するごとに死亡リスクが11%低下し、CRFの向上はがん特異的死亡リスクを18%下げるという定量データも報告されています。
つまり、単なる筋肉量だけでなく「どれだけ筋力を鍛えられるか」が重要な指標です。特に進行がん(ステージ3・4)や肺がん・消化器系がんにおいては、さらに効果が高まり、リスクは8〜46%、また特定がんでは19〜41%も減少するという結果も得られています。
筋トレの“量”とがんリスク低減の関係:30~60分/週が目安
では、どのくらい鍛えれば効果が出るのでしょうか?
英国スポーツ医学ジャーナル(British Journal of Sports Medicine)のメタ解析では、週30〜60分の筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)で全死因死亡やがん死亡のリスクが10〜20%低下するという結果が示されています。
さらに、J字型(J-shaped)の関係が示されており、週30〜60分のトレーニングで最も効果が高く、それ以上の量ではリスク低減効果は頭打ちになる可能性もあるとされます 。
がんリスク軽減への具体的な内容:部位別や併用の効果
•腎臓がん:高頻度の筋力トレーニングは腎臓がんの発生リスクを26%低下させるという報告があります(ハザード比 0.74)。
•他のがん種には明確な発症リスク低減の報告は少ないものの、全体的ながん死亡リスクには確実に寄与する傾向が示されています。
•有酸素運動との併用:筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、がん死亡リスクがさらに28%低下するという研究もあります。
実践のポイントまとめ:どんな頻度・強度が”抗がん剤”に相当?
•頻度・量:週30〜60分の筋力トレーニングが、最大の効果が見込めるゴール。2回/週以上の実施が推奨されます。
•筋力の向上:筋力が1単位(例えば握力など)上がるごとに死亡リスクが約11%減。
•筋トレ+有酸素運動:組み合わせることでさらにリスク低減効果が高まる。
•腎臓がんに特に効果あり:筋トレによる腎臓がん発症リスクの低下は明確。