健康・フィットネス

心筋を鍛えることはできるか

こんにちは、Takamiです。

今回のテーマは、心筋を鍛えることはできるか?です。

心筋梗塞や心不全など、心臓に関わる病気は命に直結します。その心臓を動かしているのは「心筋」という筋肉です。心筋は骨格筋のように自分の意思で動かせる筋肉ではなく、不随意筋に分類されます。私たちは「腕を動かす」と意識して筋肉を動かすことはできますが、「心臓を止める」「心臓を速く動かす」といったことを直接コントロールすることはできません。では、心筋を鍛えることは可能なのでしょうか。

心筋の特徴と役割

心筋は横紋筋でありながら、自律神経やホルモンの影響を受けて自動的に拍動を続ける特殊な筋肉です。その役割は、全身に血液を送り続ける「ポンプ機能」。これが低下すると、疲労感、息切れ、浮腫みといった心不全症状を引き起こします。

骨格筋はトレーニングによって目に見えて大きく成長しますが、心筋の場合、過度に肥大すると「心肥大」と呼ばれる病的状態となり、むしろリスクが高まります。例えば、高血圧や肥満によって常に心臓に強い負荷がかかると、心筋は分厚く硬くなり、血液を送り出す効率が低下します。

つまり「心筋を肥大させる」ことは望ましい鍛え方ではなく、ポイントは「心筋を効率よく働かせる」ことにあります。

有酸素運動と心筋

科学的に証明されているのは、有酸素運動が心筋に良い影響を与えるということです。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動を継続することで以下の効果が期待できます。
1.心拍出量の増加
 安静時でも少ない拍動で十分な血液を送り出せるようになります。つまり「心臓が効率的に動ける」状態に近づきます。
2.安静時心拍数の低下
 トレーニングを積んだアスリートは安静時心拍数が一般人よりも低い傾向があります。これは、1回の拍動でより多くの血液を送り出せるようになった証拠です。
3.冠動脈の血流改善
 心筋自体に酸素を供給する冠動脈の血流が良くなり、虚血性心疾患のリスクが減少します。
4.自律神経バランスの改善
 運動は副交感神経を優位にし、心臓への負担を和らげます。ストレスや不眠による心臓の過活動を抑える効果もあります。

肥満と心臓への負担

体格と心臓の関係も見逃せません。体重が重ければ、それだけ全身に血液を送るために心臓が強く働く必要があります。肥満は血圧上昇や動脈硬化を招き、心筋に慢性的なストレスを与えます。その結果、心筋が厚く硬くなる「求心性肥大」が起こり、拍出量が下がりやすくなります。

反対に、適度な運動による心筋の適応は「生理的肥大」と呼ばれます。これは運動選手に見られるもので、心臓が効率的に血液を送り出すための変化です。病的肥大と異なり、心機能の低下を伴わず健康に寄与します。

まとめ

こうした習慣の積み重ねこそが、心臓を長く健康に保つ秘訣です。心筋は私たちの意思では止められませんが、その働きをサポートすることは十分可能です。

\ ブログをサポート /

あなたの支援が力になります

支援する