こんにちは、Takamiです。
今回のテーマは、知っておきたい一般医療機器です。
「医療機器」という言葉は、誰しもが一度は耳にしたことがあると思います。病院で使われる検査機器や治療機器をイメージする方が多いかもしれませんが、実は私たちの生活の中にも「医療機器」に分類されるものが数多く存在します。その中でも、もっとも身近なのが「一般医療機器」です。今回は、この一般医療機器とは何か、どんな基準で認可されているのか、そして身近な例について解説します。
医療機器の分類とは?
日本で販売される医療機器は、リスクの度合いに応じて大きく3つに分けられています。
1.一般医療機器(クラスⅠ)
•健康被害のリスクがもっとも低いとされる機器
•製造販売届出だけで市場に流通できる
2.管理医療機器(クラスⅡ)
•一定のリスクがあるため、厚生労働大臣の承認または第三者認証が必要
•例:家庭用低周波治療器、補聴器など
3.高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)
•人体へのリスクが高く、厳格な審査と承認が必要
•例:ペースメーカー、人工関節など
このように、医療機器は使用者のリスクに応じて段階的に区分されており、「一般医療機器」はその中で最もリスクが低いカテゴリに属します。
一般医療機器の基準
「一般医療機器」として認められるためには、以下のような基準が設けられています。
•人体へのリスクが極めて低いこと
使用によって重大な健康被害を及ぼす可能性がほとんどないことが条件です。
•使用方法が比較的容易であること
専門的な知識がなくても安全に使える設計である必要があります。
•一定の性能や安全性が確認されていること
製品がJIS規格や薬機法に適合していることが求められます。
この基準を満たしているかどうかを確認したうえで、製造販売業者は「届出」を行えば、一般医療機器として市場に流通することが可能です。つまり、複雑な審査や長い承認プロセスを経る必要はなく、比較的スムーズに市場へ出せる点が特徴です。
身近な一般医療機器の例
「医療機器」というと堅苦しく聞こえますが、私たちの周りにある日用品の中にも多く存在しています。
•体温計(電子体温計や水銀体温計)
•血圧計
•絆創膏(貼付型の簡易保護材)
•マスク(医療用に分類されるもの)
•サポーターやコルセット
•コンタクトレンズケース
これらはどれも日常的に使われているものばかりです。特に家庭用の体温計や血圧計は、健康管理に欠かせない存在となっています。
「一般医療機器」をうたう製品に注意
最近では「一般医療機器」と表示されたウェアやアクセサリー類も販売されています。例えば、「血流を促進する」といったキャッチコピーで販売されるサポーターや衣類などです。
確かに「一般医療機器」という表示があると安心感がありますが、ここで注意したいのは「一般医療機器=効果が保証されている」という意味ではない、という点です。
•認可されているのは「安全性」であって「効果効能」ではない場合もある
•宣伝文句が科学的根拠に基づいているかどうかは別問題
•消費者庁や厚労省から過大広告に対して指摘を受けるケースもある
そのため、「一般医療機器」と表記されている商品を見かけたら、過信せず「何が認められているのか」を確認することが大切です。
まとめ
一般医療機器は、医療機器の中でもっともリスクが低く、私たちの生活に身近な存在です。体温計や血圧計など、すでに家庭にあるものも多いでしょう。一方で、「一般医療機器」という表示があるだけで効果を期待しすぎるのは危険です。
「安全性が確保されている」という理解を持ちながら、正しい知識のもとで活用することが大切です。これを機に、身の回りの一般医療機器を見直し、日常の健康管理に役立ててみてください。