こんにちは、今回テーマは、「遠くを見れば視力は良くなるか」です。
スマホやパソコンを長時間見ていると、「目が疲れる」「視力が落ちてきた気がする」と感じる方は多いのではないでしょうか。そんな時に「遠くを見ると目が良くなる」という話を耳にしたことがあるかもしれません。本当に効果があるのか、今回は科学的な視点からも踏まえて解説していきます。
遠くを見ると目が良くなると言われる理由
まず、なぜ「遠くを見ると視力が良くなる」と言われるのか。これには目のピント調整機能(調節力)が関係しています。
近くばかり見ていると…
近くのものを見続けると、目の中の毛様体筋が緊張状態になります。これはいわば「ずっと筋トレをしている」ような状態。結果として眼精疲労や仮性近視につながることがあります。
遠くを見るとどうなる?
逆に、遠くを見ると毛様体筋がリラックスします。つまり、目の筋肉が休まるため、疲れが取れやすくなるのです。この状態が「視力が回復した」と感じさせる要因になっています。
注意点:遠くを見ても近視そのものが治るわけではありません。あくまで一時的にピントが合いやすくなり、楽になるだけです。
本当に視力が良くなるのか?
結論から言うと、遠くを見ることで視力そのものが永久的に回復することはありません。近視は基本的に眼球の形(軸の長さ)が影響しているため、遠くを見るだけで形が変わることはないからです。
期待できる効果
- 目の疲労回復
- ピント調節機能のリフレッシュ
- 仮性近視(生活習慣による一時的な視力低下)の改善
誤解されがちな点
「遠くを見れば近視が治る」というのは誤解です。医学的には近視の根本改善はレーシックやICLなどの手術でしかできません。
日常に取り入れたい「遠くを見る習慣」
では、「視力が良くなる」とまではいかなくても、目を守るために遠くを見る習慣は役立ちます。実践しやすい方法を紹介します。
1. 20-20-20ルール
アメリカ眼科学会が推奨する習慣で、20分ごとに20フィート(約6メートル)先を20秒見るというもの。これだけで目のリラックスにつながります。
2. 窓の外を見る
デスクワークの合間に窓の外の景色を眺めましょう。特に自然や緑を見ると、気分転換にもなります。
良い例:作業の合間にベランダから空を眺める習慣をつける。
悪い例:スマホで遠くの写真を拡大して見る。これは「近くを見ている」のと同じです。
3. 屋外での活動
研究によると、屋外活動の時間が多い子どもほど近視の進行が遅いと報告されています。これは太陽光や遠くを見る習慣が関係していると考えられています。
遠くを見る以外で視力を守る工夫
視力を守るためには、「遠くを見る」だけでなく、日常生活の中でできる工夫も大切です。
- 長時間のスマホ使用を避ける
- デスクワークでは姿勢を正しく保つ
- 睡眠をしっかりとる
- バランスの良い食事(ビタミンAやルテイン)を心がける
目に良いと言われるサプリやブルーベリーなどは補助的な役割。基本は生活習慣の改善が一番です。
まとめ:遠くを見ることは「目の休息」
「遠くを見れば視力は良くなるか?」という問いに対しては、一時的に楽になるけれど、近視そのものを治す効果はないというのが答えです。
ただし、遠くを見る習慣は目の健康を守る上でとても有効です。デスクワークやスマホが欠かせない現代だからこそ、定期的に目を休ませる時間を意識して取り入れていきましょう。
ポイント:遠くを見ることは「治療」ではなく「予防」と「リフレッシュ」として取り入れることが大切です。
