こんにちは、Takamiです。
今回のテーマは、平衡感覚は年齢とともに衰えるか?〜転倒を防ぐためにできること〜です。
年齢を重ねると、「ふらつく」「つまずく」「転びやすくなった」と感じる方は少なくありません。実際に高齢者の事故原因で最も多いのが「転倒」であり、時には骨折や寝たきりに直結することもあります。
では、なぜ年をとると転びやすくなるのでしょうか?
その大きな理由の一つが「平衡感覚(バランス感覚)」の衰えにあります。
平衡感覚とは何か?
平衡感覚とは、自分の身体の位置や動きを正しく把握し、姿勢を安定させる能力のことです。私たちは、主に以下の3つの情報を脳で統合することでバランスを保っています。
•視覚(目):周囲の状況や自分の動きを目で確認する
•前庭感覚(耳の奥):身体の傾きや回転を感知する
•深部感覚(筋肉や関節):手足や体幹がどこにあるかを感じる
これらの感覚が連携することで、歩いたり立ち止まったり、片足立ちをしたりと、日常の動作が自然にできるのです。
平衡感覚は年齢とともに衰えるのか?
答えは「はい」、ただし個人差があります。
年齢を重ねると、先ほど挙げた3つの感覚器の機能が徐々に低下していきます。
例えば:
•視力の低下により、段差や障害物に気づきにくくなる
•前庭機能の低下により、急な方向転換でめまいを起こしやすくなる
•筋力や柔軟性の低下により、身体の位置を素早く調整できなくなる
さらに、「咄嗟の反応」が遅くなることで、転びそうになっても手が出せず顔から地面に落ちるという事故も多くなります。
つまり、平衡感覚は年齢とともに衰える「傾向」があり、それが転倒リスクを高める大きな要因のひとつなのです。
対策はあるのか?
衰えは自然なことですが、予防・改善は可能です。以下のような習慣を取り入れることで、バランス感覚を維持・向上させることができます。
1. 片足立ちトレーニング
もっとも簡単で効果的なのが、1日1分の片足立ちです。
はじめは壁に手を添えても構いません。左右1分ずつ、毎日続けることでバランス能力が鍛えられます。
2. 下半身の筋力トレーニング
スクワットやかかと上げ運動など、足腰の筋肉を鍛えることで、ふらつきを防ぎます。筋肉は何歳からでも鍛えることができるのが魅力です。
3. ストレッチや柔軟体操
筋肉や関節の柔軟性を保つことで、動きの範囲が広がり、転倒しにくい身体になります。特に股関節や足首まわりは重点的にほぐしましょう。
4. 視覚や聴覚のチェック
視力や聴力が低下している場合は、適切な補助(メガネ、補聴器など)を活用することも、平衡感覚の維持に効果的です。
5. 日常動作に意識を向ける
「慌てず、急がず、丁寧に動く」。
段差の前では一呼吸、雨の日は靴の滑り止め確認。そんなちょっとした注意が、大きな事故を防ぎます。
まとめ
平衡感覚は確かに年齢とともに衰えていきます。しかし、適切な対策とトレーニングを取り入れることで、その衰えを最小限に抑えることができます。
転倒は、日常のちょっとした油断から起こります。そして、その一度の転倒が生活の質を大きく下げてしまうこともあります。
だからこそ、「まだ大丈夫」と思っているうちから、今日からバランス感覚の維持に取り組んでいきましょう。
未来の自分のために、今できることを。