健康・フィットネス

160kmのボールを投げるために必要なこと

こんにちは、Takamiです。

今回のテーマは、160kmのボールを投げるために必要なことです。

プロ野球やメジャーリーグで話題になる「160kmのストレート」。ニュースやスポーツ番組でその数字を耳にすると、「速いな」とは思うものの、多くの人にとっては実感が湧きにくいかもしれません。しかし、160kmのボールを投げるというのは、人間の身体能力と技術が極限まで研ぎ澄まされた結果です。ただ筋肉を鍛えれば誰でも投げられるわけではなく、緻密な動作、適切な身体の使い方、そして長年の積み重ねがあって初めて到達できる領域なのです。

160kmはどれほど速いのか?

160kmのボールは、秒速にすると約44メートル。打者との距離が約18.44メートルですから、投げられたボールは0.4秒足らずでホームベースに届きます。人間の反応速度は平均0.2秒と言われていますから、打者が「振るかどうか」を判断する猶予は実質0.2秒程度しかありません。つまり、160kmという球速はただの「速い球」ではなく、人間の動体視力や反応速度の限界を試すスピードだと言えるでしょう。

必要なのは“全身”の連動

「速球=筋肉」と思われがちですが、実際にはボディビルダーが160kmを投げられるわけではありません。必要なのは、全身の連動です。投球動作は「下半身→体幹→肩→腕→手首→指先」とエネルギーをバトンのように伝えていく運動連鎖で成り立っています。この流れのどこか一つでも弱かったり、タイミングがズレたりすれば、球速は大きく落ちてしまいます。

特に重要なのは次の3点です。
1.下半身の強さと安定性
 160kmを投げる投手は、強靭な下半身を持っています。踏み出す足で地面をしっかり捉え、軸足で生まれるパワーを全身に伝える。スクワットやジャンプ系のトレーニングで培われる力が、投球の土台になります。
2.体幹の回旋力
 速球は体幹のひねりから生まれます。メディシンボールを使った投げ込みや、回旋運動のトレーニングは、投球のパワーアップに直結します。逆に体幹が弱ければ、下半身からの力が腕まで伝わらず「腕だけで投げるフォーム」になり、球速も伸びません。
3.肩・肘のしなやかさと強度
 肩や肘は負担の大きい関節です。ここをただ強化するのではなく、「しなやかに加速できる可動域」と「投げ込んでも壊れない強さ」の両立が求められます。チューブを使ったインナーマッスル強化や、可動域を保つストレッチが必須です。

脱力とタイミングの妙

意外に思われるかもしれませんが、速いボールを投げるためには「力を抜くこと」も大切です。力みすぎれば関節の可動域が狭まり、スムーズな動作ができなくなります。プロの投手をよく観察すると、リリースの瞬間まで“脱力”しているように見えることがあります。これは、最大限の力を最適なタイミングで爆発させるための準備なのです。

また、筆者の考えとして「160kmに到達できるフォームには共通点がある」と思っています。リリースまでの腕の軌道や、身体の使い方にはある程度の型が存在します。どんなフォームでも160kmに届くわけではありません。つまり、筋力や柔軟性だけでなく、“正しい動作の習得”が不可欠なのです。

具体的なトレーニング例

では、160kmを目指す投手はどんな練習をしているのでしょうか。代表的なものを挙げてみます。

•スクワット・デッドリフト:下半身と体幹の強化
•メディシンボールスロー:体幹の回旋力を高める
•プライオメトリクス(ジャンプ系トレーニング):瞬発力の養成
•チューブトレーニング:肩のインナーマッスル強化
•可動域ストレッチ:肩・股関節の柔軟性を維持
•シャドーピッチング・フォーム練習:効率的な運動連鎖の習得

これらを総合的に行い、さらに投げ込みによる実践を重ねることで、少しずつ球速が伸びていきます。

まとめ

160kmは努力の象徴

最後に強調したいのは、160kmという球速は才能だけでなく、選手のたゆまぬ努力の結晶だということです。筋力、柔軟性、動作の洗練、そして身体を壊さないためのコンディショニング。全てを高いレベルで維持して初めて到達できる領域です。

多くの人にとって160kmを投げる必要はありません。しかし、その数字の裏には人間の可能性を追求し続けたプロ選手の努力があります。その凄さを理解すると、試合で160kmのストレートが決まる瞬間を、より特別なものとして感じられるのではないでしょうか。

\ ブログをサポート /

あなたの支援が力になります

支援する