こんにちは、Takamiです。
今回のテーマは、早期教育はどこまで効果があるか?〜習い事づけの子どもたちへ〜です。
はじめに
最近、公園で遊ぶ子どもたちが減ってきた気がします。
その代わり、英語教室や体操教室、そろばん、ピアノ、水泳…と、幼い頃からびっしり習い事のスケジュールが入っている子も少なくありません。
もちろん、教育にお金をかけられる環境は素晴らしいことですし、子どもたちが将来の可能性を広げるために様々な体験をするのはとても良いことだと思います。
ただ、やり過ぎて家族との時間がなかったり、子ども自身が疲れ切ってしまっていたりする姿を見ると、「それって本当に効果があるのかな?」と疑問を感じることもあるのです。
今回は、早期教育の効果について、海外の研究や実例も交えながら、改めて考えてみたいと思います。
早期教育の効果は「一時的」?それとも「長期的」?
まず結論から言うと、早期教育の効果は一部において“有意”ですが、“万能ではない”というのが、現在の研究結果です。
たとえば、アメリカの研究機関「Perry Preschool Project(ペリー就学前プロジェクト)」では、貧困層の子どもたちに対して質の高い幼児教育を行ったところ、
・高校卒業率が上がる
・犯罪率が下がる
・生涯所得が増える
という結果が出たという報告があります。
また、幼児期に読み書きや計算の基礎に触れていた子どもは、小学校入学時の学力テストで優位に立つケースも多いとされています。
ただし、その効果が中学・高校以降まで長期的に続くかというと、研究によって差があります。
イギリスやカナダの研究では、「小学校高学年以降には差が縮まっていく」「家庭環境や性格の方が重要になってくる」という報告もあります。
つまり、早期教育が「意味がない」わけではないのですが、それだけですべてが決まるわけでもないということです。
「過密スケジュール」が子どもに与える影響
毎日違う習い事に通っている子どもを見ると、「すごいな」と感じる一方で、「ちょっと心配」になることもあります。
実際、アメリカの心理学者デビッド・エルキンド氏は、過剰な習い事やスケジュール管理は、子どもの“自由な遊び”を奪い、ストレスを増やす可能性があると指摘しています。
遊びの中でこそ育まれる創造性や自己表現力、人との関わり方といった“非認知能力”も、将来の成功において非常に重要です。
また、家族との時間や、何もない「退屈な時間」も、子どもにとっては大切な学びの場。
習い事に追われすぎて、家族と会話する時間が減っていたり、ひとりでボーッとする時間すらなくなってしまうのは、少しもったいない気がします。
習い事は「種類」よりも「質」と「目的」
では、早期教育や習い事はまったく必要ないのかというと、そんなことはありません。
個人的には、「子どもの個性や興味に合った習い事を、適切なペースで行う」ことは大賛成です。
たとえば以下のような習い事は、早期教育としてもおすすめしやすいです。
■ 水泳
全身運動で体力がつきやすく、喘息の予防にもなると言われています。ルールや順番を守る力も自然に育ちます。
■ 体操・ダンス
運動神経やバランス感覚が育まれ、自己表現力にもつながります。
■ 英語
幼児期は音への感度が高く、発音の吸収が早い時期。遊びを通じて英語に親しむ環境があると、将来的に苦手意識を持ちにくくなります。
■ 音楽(ピアノなど)
集中力や指先の器用さを育てるのに効果的。感受性も豊かに。
ただし、「将来のためにとにかく全部詰め込もう」というのではなく、“なぜやるのか”という目的意識を持ったうえで、家庭のバランスと相談しながら選ぶのがベストです。
まとめ
早期教育には一定の効果がありますが、やればやるほど将来が保証されるものではないというのが実際のところです。
それよりも、家庭での愛情ある関わり、子ども自身の興味を大切にする姿勢、そして“詰め込みすぎない余白”が、結果的には一番子どもの成長を後押ししてくれるのではないでしょうか。
頑張りすぎず、でも無関心にもならず。
我が子が伸びるタイミングと方向を、そっと見守りながら手助けできる親でありたいなと、あらためて思います。